県政オンブズマン静岡 〜静岡県庁の光と闇〜

篠原清志部長の優雅な海外視察


平成27年6月29日(水)

県政オンブズマン静岡では、毎年、使途が議会や県民から見えない、役所が自由に使途を決められる予算である部局調整費について、抽出して調査しています。(http://www.omb-shizu.sakura.ne.jp/kiroku003b.html
かつて、違法な支出を行った京極仁志に対する住民監査請求の対象となった事業の財源も、この部局調整費です。
今回、経済産業部の部局調整費の使途の中から、内容に比して高額の事業費費だったこともあり、「ミラノ国際博覧会静岡県催事出席・フランス国内視察」について、公文書開示請求を行い、以下のとおり、費用対効果に大いに疑問のある実態を把握しましたので、これを公表します。

まず、以下が、県がインターネットで公表している旅費の明細です。
出発日  帰着日  職 氏名  金額  用務  用務先(着地)
8月22日 8月26日 部長 篠原 清志 857,910 ミラノ国際博覧会静岡県催事等
成田空港(成田空港)→ミラノ→ミラノ国際博覧会→VITAGORA→寿月堂→羽田空港
8月22日 8月26日 主任 新田 展也 457,692 ミラノ国際博覧会静岡県催事出席等
成田空港→ミラノ国際博覧会→VITAGORA→寿月堂他→羽田空港

しかし、この公表旅費からはうかがい知れない旅行の実相が判明しました。

慣例無視、知事と同等のビジネスクラスに一人乗り

今回(平成27年度)、「ミラノ万博静岡県催事出席・フランス国内視察」事業と称して部局調整費事業を使い旅行したのは、経済産業部長の篠原清志と随行1名の計2名で、その旅費に関する計算書は以下のとおりです。

まず、篠原清志の例により、この旅費計算書の見方から説明します。

旅費計算書の上段の表は、国内旅行に関するもので、
まず、8月22日に、墨塗にされている自宅から成田空港に直行し同空港から出国したことがわかります。
一方、帰りの8月26日は、羽田空港に到着後、帰宅したことがわかります。

旅費計算書の2表目は日ごとの用務先、宿泊地、日当の額、宿泊料です。
・日当は県の条例で定められた定額で、昼食代や電話代などの名目で支給されるものですが使途は全く自由で、報告の必要もなく、使わなくても返金の必要もありません。現在、電話は公費でレンタル携帯が用意されるため、現実には毎日支給されるお小遣いと言っていいでしょう。帰国日は航空機内に一部時間居たというだけで、丙クラスの日当ですが4,500円支給されています。合計では31,300円支給されています。
・ここに記載の宿泊料(食事代含む)は、県の条例で定められた定額です。これを下回る金額で宿泊しても返金の必要はありませんが、理由があって規定額を超えた場合はその額が、調整額として計算され、自己負担の生じないように税金で補填されます。今回は規定以内で収まったのでしょう。合計60,100円が支給されています。

旅費計算書の3表目以下は集計表です。
うち、外国計の表の旅行雑費とは、パスポートの取得費用やビザ取得費用、外貨交換手数料などです。
また、「現地交通費」に記載の29,000円は実際に負担した現地交通費のはずですが、明細は添付されていませんでした。。
そして、問題なのが、「航空機」に記載の706,480円。これはビジネスクラスの航空運賃で、添付されていたチケットの半券にもビジネスクラスの表記がされていました。
これを、その下に掲載の随行者の航空運賃271,400円と比較すれば、自身の快適さを得るために435,080円も多くの税金を使って視察にいったことが分かります。
しかも、このビジネスクラスの利用というのは、知事、副知事級以外では通常利用しておらず、部長級にあっては異例です。
実際、今回同部の部局調整費を出張した調査する中で明らかになったアルゼンチン・ブラジルに出張の部長級の経済産業部理事岩城徹雄氏はすべてエコノミークラスで移動しています。

彼には、違法でなければ問題ないという意識しかなく、知事の公約だった「一円たりとも無駄にしない」などは馬耳東風なのでしょう。






2人旅なのに、わずか2日間で、専用車借上げ代と通訳代に別途758,000円。セラー見学の入場料も税金で。

「ミラノ万博静岡県催事出席・フランス国内視察」旅行全般については、このページの最後の総括で検証しますが、実質の現地旅行期間はわずか3日間の視察で、そのうちの初日は県出展のミラノ万博の視察で、残り2日が当事者が自由設定した視察です。
2人の旅費の中に現地交通費として計114,362円が計上されていますが、これとは別に以下の経費が支出されていたことが判明しました。
上3段は24〜25日の2日間で使った専用車と通訳士代で、計758,000円。
4段目は初日(ミラノ万博視察日)の23日の後半、フランス国内移動の際のガイド代。
5段目はフランスの観光地として有名なワイン産地にある「ブシャール・エネ&フィス」というセラー見学とワインテイスティングができる施設の入場料です。

これら、総額で811,420円。全て税金です。それにふさわしい成果とは、何なのでしょう。



総括〜復命書に見る視察の成果〜

まず始めに、このページの冒頭、県がインターネットで公開している旅費の全容を示しましたが、もう一度見てみましょう。

出発日  帰着日  職 氏名  金額  用務  用務先(着地)
8月22日 8月26日 部長 篠原 清志 857,910 ミラノ国際博覧会静岡県催事等
成田空港(成田空港)→ミラノ→ミラノ国際博覧会→VITAGORA→寿月堂→羽田空港
8月22日 8月26日 主任 新田 展也 457,692 ミラノ国際博覧会静岡県催事出席等
成田空港→ミラノ国際博覧会→VITAGORA→寿月堂他→羽田空港

その上で、以下の事業企画時の行程と実際の旅程をご覧ください。
公開旅費からは見えませんが、主たる目的地のはずのイタリアのミラノ万博はわずか半日で、早々にフランスに移動し、専用車で世界遺産などを視察と称して観光したようにも見えます。






そして、最後に紹介するのが、お約束のお役人の復命書(成果報告書)です。
実質3日間の視察に対して、2人分の旅費、車両代、通訳代、入場料合わせて計2,127,022円。
これほどの税金を使った成果としてふさわしいものなのでしょうか。
全部読むのも無意味と思う方は最後の「まとめ」の部分だけでもご覧ください。
これで、200万円をかけたにふさわしい、静岡県の産業振興に資するものとなっているでしょうか。
高校生の修学旅行でも、あらかじめテーマを決めて勉強し、どういう点をどう調べるかという準備をしてそれに照応した報告がきちんと出来ます。
仮にも部長職にある大の大人がこの成果というのは、醜悪で、内容も稚拙で恥ずべきものです。
税金で仕事をしていることの意味を今一度考え直してほしいものです。これでは公務員失格です。















追記:
その後、篠原清志による旅費規程違反が発覚した。
経過は、掲示板http://8160.teacup.com/hikari21c/bbs/t1/71以下に。

追記:
第2弾「懲りない役人篠原清志、再び」