県政オンブズマン静岡 〜静岡県庁の光と闇〜

平成30年度静岡空港関係予算


平成29年3月18日(日)

平成30年度予算の空港関係予算の集計結果は以下のとおり。

空港の存続につながる予算は総額で約58億円(ビル増築改築費を除けば約32億円)
海外誘客の重要性は認識しているが、静岡空港利用を中心とした誘客にこだわりすぎ羽田、成田、中部国際などからの近さという地の利を十分生かせないままの状態が続いている。
その裏には、県職員の天下り法人である富士山静岡空港の利権など、県民不在の論理が幅をきかす構造的問題があることが分かっている。
来年度から空港の運営を民間に任せるというが、県による横流し補助金(空港競争力強化事業)で黒字が保証される構造を維持したままの移管であれば県民にとってはブラックボックス化するだけでかえって損失である。
開港前には前石川嘉延知事が「空港は着陸料が丸々入ってこないとしても、今の想定では5億円強で、グランシップの赤字に比べはるかに少ない。」と明言していたが、現実は以下のとおり、空港管理会社に対してだけでも12億円もの税金が流れる構造となっってしまった。だました方が悪いのかだまされた方が悪いのか。善悪はともかく静岡県においてはだました側が大手を振っている。


平成30年度当初予算中の空港関連予算
 
事業名
予算額(千円)
事業の概要
空港存続支援予算 空港管理運営事業費
760,000
富士山静岡空港株式会社(県の天下り法人)への空港施設管理委託費。ビル増築により予算増。
空港行政費
14,7437
空港施策の推進に要する経費
空港新運営体制構築事業費
36,000
運営に民間委託に向けた検討等
富士山静岡空港機能強化・魅力向上事業費
2,598,000
旅客ターミナルビルの増築・改修等
航空保安関係事業費
82,978
航空会社への航空保安施設利用料の半額補助金
空港本体施設維持管理事業費
26,000
空港本体の維持管理計画策定及び維持管理工事費
空港隣接地域賑わい空間創生事業費
583,000
平成26年度までとしていた空港周辺市町への助成の拡大継続
空港周囲部環境保全対策事業費
74,700
空港周囲部の環境監視施設、制限表面等の管理費用
空港周辺施設維持管理事業費
25,000
空港調節池の維持管理費用
静岡県空港建設基金積立金
100
空港建設基金の運用益の積立
空港企画広報推進事業費
5,890
空港利活用施策の推進・広報に要する経費
空港競争力強化事業費
448,000
名目は「航空会社の運航経費への補助金」であるが、富士山静岡空港株式会社への税金横流し。
県有施設を無償で航空会社に貸せば本来不要な補助金であるが、管理会社である富士山静岡空港株式会社が県の施設を航空会社
に高額で貸して、それを県が補助することで会社の利益にする構造。県民からすれば、県民の財産をかすのにお金を取るどころかお金を払っ
て貸すようなもの。ターミナルビル増築で予算増額(=富士山静岡空港株式会社の利益増&県民負担増)
(詳細は、富士山静岡空港株式会社、指定管理制度の闇に)
空港定期便拡充促進事業費
187,517
富士山静岡空港利用促進協議会を迂回しての航空会社、空港利用者への補助金
航空物流推進事業費
8,320
富士山静岡空港航空貨物利用促進協議会への助成及び荷主の物流経費補助金
空港アクセス向上事業費
120,000
空港アクセスのためのバスの運航費及び乗合タクシーへの補助金
小計(第5項 空港振興費 計)
4,970,248 注:前年度当初予算4,244,393千円比725,855千円(17%)増
海外誘客推進事業費 110,500 静岡空港を利用した商品の販売促進に86,000千円、静岡空港に定期便のある国を対象とした観光誘客活動に14,500千円ほか
国内誘客推進事業費の一部 38,200 静岡空港利用し県内に1泊以上する貸し切りバス代、レンタカー代、旅行商品パンフレットなどへの補助15,000千円
空港就航先の航空会社等への営業活動など23,200千円









高校生国際教育旅行推進事業費 5,000 新たに台湾への修学旅行を決めた高校職員の事前現地調査旅費の支援2,500千円
海外修学旅行の職員旅費の支援2,500千円
新幹線新駅関連調査費 5,000 新駅及び引込線設置の具体策の検討
小計(その他)
158,700  
空港関係職員給与費(文化・観光部のみ) 650,660 前年度と同等と試算
空港関係企画費(文化・観光部のみ) 12,025
小計(人件費等) 662,685  
5,791,633 注:前年度当初予算3,522,475千円比約16億円(46%)増