県政オンブズマン静岡 〜静岡県庁の光と闇〜

1 空港アクセス向上事業費


平成28年4月3日(日)

本日は、以下に平成28年度予算の「空港アクセス向上事業費」1億4,290万円を紹介します。

昨年3月から始まった浜松市をターゲットにした乗合タクシー補助。
静岡空港にタクシーで行く利用者に一人当たり6400円程度(往復なら12800円程度)を税金で補助し、本人負担はわずか1,500円という空港予算の聖域ぶりを見せつけるような予算。
この破格な補助により、利用者は年間5千人の見込みだったが、4月から12月までで4,925人の利用に達し、県は補正予算で予算増額までして事業を継続した。
平成28年度は乗合タクシーの補助に昨年度より3千万円増の約6,200万円を投じるとともに、その広報用ちらし・パンフレットに138万円を掛けるということである。
利用者が増えるなら税金はいくらでも掛けていいのか、節操なしの事業である。
一方で、県が運行するアクセスバスの委託費は便数を減らしたことから700万円減少し約7,200万円となった。

そもそもこの予算、「事業の必要性」を見れば「空港利用者数の目標を達成するためには、・・・・アクセス手段の意地・確保をする必要がある」と、事業自体の費用対効果(コスト対効果)が全く考慮されていない。この「事業の必要性」は、利用者を増やすという目標を達成するためなら税金はいくらでも使えるというような口ぶりだ。

実際、
3の「事業の主たる活動指標(アウトプット)・効率指標(単位当たりコスト)」の効率指標を見ると、
平成26年度が1,112円、平成27年度が1,489円、平成28年度(見込み)が1,563円と、一人当たりのコストがアップしている。

しかも、このアクセス補助金受益者は、アクセスだけでなく航空運賃を構成する航空会社への税金補助を通じて、実質航空運賃も補助されているのである。

静岡空港の空港利用者は、まさに補助金まみれ。
利用者が増えれば増えるほど補助金は増えている。
そして、その補助金の原資とは、もちろん我々県民生活のために使われるべき「税金」なのである。